腰痛に長年悩んで、いろいろな治療法を試してみたけれど、良くなっては腰痛になることを繰り返すとういう経験はありませんか?
腰痛を繰り返す場合は、根本的な原因を改善できていないため、痛みが良くならない可能性があります。
あきらめて腰痛とは長く付き合っていこうと思い始めている方も、しっかりと根本の原因が特定されれば、改善するかもしれません。
腰痛について原因と治療法についてお伝えします。
腰痛の原因
①整形外科的疾患によるもの
・先天異常や側弯症、腰椎分離症など成長に伴って起こるもの
・変形性脊椎症、椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、変性すべり症など加齢伴うもの
・腰椎腰椎骨折や脱臼などの外傷
・カリエスや化膿性脊椎炎などの感染や炎症によるもの
・変形性股関節症などの腰以外の整形外科の病気によるもの
②内臓系の疾患によるもの
・転移癌などの腫瘍によるもの
・解離性大動脈瘤などの血管系の病気
・尿管結石などの泌尿器系の病気
・子宮筋腫や子宮内膜症などの婦人科の病気
・胆嚢炎や十二指腸潰瘍などの消化器の病気
③精神疾患や心理的要因によるもの
・身体表現性障害、統合失調などの精神疾患
④精神的なストレスによる心理的な原因による場合
⑤筋力のバランス、柔軟性低下、姿勢不良によるもの
・いわゆるギックリ腰
・加齢による筋力低下
・出産による筋力低下
・生活習慣による姿勢不良
・左右非対称なスポーツをしている、していた方
・もともと身体が硬い方
・血流が悪い方
診断
まずは原因疾患がないかをチェック
痛みの原因を特定するために、病院などで診断を受けましょう。
X線(レントゲン)検査、CT、MRI、骨シンチ、筋電図検査、血液・尿検査などを適宜行い、原因を特定します。
*炎症症状(熱感、発赤(赤くなる)、腫脹(腫れ))を伴う急性の痛みの場合はRICE療法(安静、冷やす、圧迫、心臓より患部を高くする)を行いますが、痛みが強くなってくる場合、痺れが出現する、発熱を伴うなどの症状がある場合は速やかに受診しましょう。
治療
内服薬、ブロック注射、コルセットなどの装具療法、物理療法、手術、リハビリテーションなど、症状に応じて治療を行います。
なかなか治らない腰痛
病院で診断を受けたが、X線、CT、MRIなどに異常はなく、湿布を処方されたが良くならない、電気治療を続けている、整体に通っているが治らない、などの場合は、根本的な原因の治療を行っていないため、改善しない可能性があります。
画像検査などで特定される腰痛は15%程度との報告もあり、残りの85%は原因が特定されないとも言われます。上記の原因の④、⑤がそれに当たりますが、なかでも多いのは筋力低下や姿勢不良による腰痛です。
筋力低下が原因で痛みが出現する場合
1)特定、あるいは全身の筋肉が弱くなる
2)弱い筋肉が働きにくくなり、筋肉の連動性が崩れる
3)弱い筋肉の働きを補うため、他の筋肉が過剰に働く
4)過剰に働いた筋肉に痛みが出現する
5)筋力低下による姿勢不良も出現し、負荷がかかり続けるため痛みが治らない
筋肉が硬いことで痛みが出現する場合
1)特定の筋肉が硬くなる
2)硬い筋肉に引っ張られて筋肉の連動性が崩れる
3)硬い筋肉は力を発揮しにくいので、他の筋肉が過剰に働く
4)過剰に働いた筋肉やその周囲(硬い筋肉との連結部など)で痛みが出現する
5)痛みを抑えようとする防御反応でさらに硬くなるため、痛みが治らない
このようなメカニズムで痛みが発生しますが、残念ながらこういった細かいメカニズムの原因特定できない治療施設が多いのが現状です。
身体の筋肉の状態や姿勢などを評価し、治療するには専門の知識と経験が必要です。
こうした筋肉や姿勢などの状態を整える治療をする専門家の一例として、理学療法士や作業療法士といったリハビリテーション専門職が挙げられます。
なかなか治らない腰痛は医療系国家資格を持つ理学療法士や作業療法士などに相談してみてはいかがでしょうか。